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2007/8/26-27-28 日韓女性東京歴史文化紀行



日韓女性東京歴史文化紀行の意味―日韓シンポの前提として

菅聡子(お茶の水女子大学)

 韓国との国際シンポジウム「文化表象の政治学―日韓女性史の再解釈」に先だって、韓国側の参加者とともに、2007年8月26日〜28日の三日間、「東京文化紀行」を実施した。日韓両国の女性たち50余名が、〈旅〉という時空間のなかで互いの理解を深めようというこの試みには、実は前哨戦がある。昨年度の韓国におけるシンポジウムの際、韓国の女性史をたどる歴史紀行を私たちは体験した(小畑文「韓・日女性たちの歴史文化紀行」『F-GENSジャーナル』No.7参照)。そのプロセスにおいて、私たちはナショナル・ディスコースとそれに抗い脱構築しようとするジェンダー・ディスコースの葛藤と交錯を見ることができた。韓日両国の相互理解のために、不可欠の体験であった。
  翻って、今回、同様の旅を東京において企画するにあたり、私たちは日本の「現在」をテーマとした。そのために選んだのが、現代日本社会を席巻する二つの潮流、すなわち「サブカルチャー」と「ナショナリズム」である。具体的には、前者については女性たち自身の手による文化、それも従来男性中心主義の価値観によって周縁化されてきたものの代表として、「宝塚」をとりあげ、後者については、現代日本のとくに若者たちに蔓延するネオ・ナショナリズムともいうべきモードがどのような表象によって形成されるのか、その典型的一例として、「靖国神社」の表象と言説をとりあげた。詳細についてはそれぞれの報告に譲るが、いっけん相反するようなこの二つの潮流が、日本の近現代におけるジェンダー配置と分かちがたく連関し、さらにその問題がまさに日本の「いま・ここ」において更新/再生産されている様相が明らかになった。
  この二回の旅の体験を通じて、両国の女性たちが日常的に直面している種々の抑圧、葛藤、そして解放への意志を相互に確認し得たと思う。この旅の体験が、新たなシスターフッド形成の第一歩としての意味を持つことは疑いようがない。


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