IGS通信2013
- 2014.1/25 国際シンポジウム「変動期の東アジアにおけるジェンダー主流化―現状と新たな挑戦」
- 11/9,10 AITワークショップ報告会
- 5/29 公開シンポジウム「サステイナビリティとジェンダー:科学と人類の未来を担う新たなパートナーシップを求めて」
国際シンポジウム「変動期の東アジアにおけるジェンダー主流化―現状と新たな挑戦」
1月25日、東京国立近代美術館講堂にて、国際シンポジウム「変動期の東アジアにおけるジェンダー主流化―現状と新たな挑戦」が開催されました。このシンポジウムは、2008年グローバル経済危機以降に、アジアを取り巻く変化、その反作用として誕生している保守主義的な政党支配の中におけるジェンダー主流化の現状を、各国の歴史的背景を踏まえつつ考察することを目的としています。シンポジウムは、台湾、韓国、ベトナム、日本の研究者による報告、2人のディスカッサントからのコメント、会場から各報告者への質疑応答の3部構成で行われました。
*シンポの様子は「クオータ制を推進する会」のニュースレターvol.4でも取り上げられています。 |
----------------------------------------------------------------------------------------------- 《開催詳細》 【日時】2014年1月25日(土)12:30-16:30 【主催】お茶の水女子大学ジェンダー研究センター 《 2014/3/11掲載 》 |
AITワークショップ報告会
2013年11月9、10日、微音祭において本年度のAITワークショッププログラムの総まとめとなる報告会が行われました。 AITワークショップは、本学博士前期課程とアジア工科大学大学院(Asian Institute of Technology)が主催する交換研修プログラムです。今年度、本学からは、開発・ジェンダー論コース生4名、地理環境学コース生1名の合計5名が、タイで行われるフィールド調査とワークショップに参加。研修テーマは、参加生の修論テーマと関連付け、「Global Justice, Women’s Health, and Prostitution」とされました。 今年はより多くの方にAITワークショップを知っていただきたいという思いから、微音祭で報告会を実施する運びとなりました。ワークショップ参加学生5名が企画・準備をし、マルシェ内のブースにて2日間に計4回、報告を行いました。 |
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報告は、参加学生がバンコクとチェンマイで実施したフィールド調査結果に重点を置いて行われました。一例として、タイにおけるセックスワーカーへの支援、教育を行っているNGO団体EMPOWER(Education Means Protection Of Women Engaged in Recreation)での調査について報告がありました。セックスワーカーが語学や性感染症予防などについて楽しく学べるよう工夫された施設をスライドで紹介し、セックスワーカーへのインタビュー調査では、調査者に対するプライバシーに配慮する必要があったことを報告しました。バンコクやチェンマイでの観光や、AIT学生との交流の様子もスライドで紹介され、会場は終始和やかな雰囲気でした。 微音祭での報告会ということもあり、本学学生のみならず、開発・ジェンダー論コースに入学を希望する方、タイに関心がある方など、学外からの参加を得ました。微音祭での公開報告会は初の試みでしたが、AITワークショッププログラムの締めくくりというだけではなく、学内外にプログラムの魅力を広報する貴重な機会となりました。 |
----------------------------------------------------------------------------------------------- 《開催詳細》 《 2013/11/26掲載 》 |
公開シンポジウム「サステイナビリティとジェンダー:科学と人類の未来を担う新たなパートナーシップを求めて」
ジェンダー研究センターでは、2012年より、「サステイナビリティ」をテーマに研究プロジェクトを進めている。同年5月に実施した公開シンポジウム「『原発』とサステイナビリティ・サイエンス」では、チェルノブイリの経験をもとに、福島の原発事故の被災状況、特に、若者や子どもの健康や心理的影響、リプロダクティブ・ヘルスの問題を様々な角度から考察し、さらに「持続可能な地球のための科学」の観点からの提言も行った。その後の研究会では「サステイナビリティ・サイエンス」や核廃棄物管理に関する国民的議論を目指す熟議民主主義についての理解を深め、「サステイナビリティ・サイエンス」と「ジェンダー」という2つの研究領域の連関点を探る考察を進めた。2013年1月には国際シンポジウム「災害、復興におけるジェンダー公平性を問う」において、インドネシアからのゲストを迎え、インドネシアのアチャにおける実践事例を取り上げ、復興後社会の再構築にあたり、ジェンダー視点を取り入れることの重要性や、災害という経験が、単なる復旧ではなく、よりよい社会、よりジェンダー公平な社会への復興を目指す起点となる可能性があることも確認した。 |
菅野琴による報告「持続可能発展教育/ESD ユネスコ世界会議の動向とジェンダー視座からの論点」では「持続可能な開発」の基本概念の紹介とその後の国際社会における変遷を論じた。特に、その基本概念の適用主軸が「環境」にシフトし、グリーン化、ブルー(海洋)化への転換が始まる経緯が説明された。また、教育による「エンパワメント」により、女性が男性と共に自由意志で選択し、変革の主体となって行動できるようになることが確認された。持続可能な社会構築への挑戦は、「家族や労働のあり方や豊かさを支える男並みを基準とする社会システム」の枠組みの見直しも必然的に伴うとして、ジェンダーと持続可能性の接点を探った。
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----------------------------------------------------------------------------------------------- 《開催詳細》 《 2013/7/31掲載 》 |